2016年3月12日土曜日

【上信電鉄撮影記事】新性能車でもぶどう色2号に塗られていたらやっぱり萌えちゃうよねっ


■上信200形はいい!
先日のエントリーでも、上信電鉄200形電車にさいきん萌えてしまう、と書いた。正確にいえば私が好きなのは西武所沢工場製の現存する2次車だ。それも、サーモンピンク、いや上信電鉄のいい方を借りれば「コーラルレッド」。サケではなくてサンゴだ。その単色塗装時代ではなく、それ以前の紺の帯を締めていたころや、最近の茶色い塗装が好きなのだ。

デハ205号車の現在の塗装もいいけど、コーラルレッドに紺色の帯がいい。理由は単純だ。つねにオリジナルがいいとはいわないが、製造当初に塗られた塗装のほうが、たいていは車体のデザインと似合う。

偏屈なおっさんの愚痴はともかくとして、この茶色い塗装の203−204編成が冬枯れの上州路を走る姿に、私はじつに萌えた。しみじみしちゃったのだから、しかたがない。恋愛とは一種の精神錯乱みたいなものだ(*1)。そこに合理性や理由なんてないのだ。いろいろ書いたくせにアレだけど。そこでまあ、今日もラノベ風タイトル(*2)を無理してつけてみたというわけ。


■ホワイトバランスで赤みを強調する
さて、1月上旬にでかけたときには203-204編成は高崎〜下仁田を終日往復していた。高崎からまず千平までMT46主電動機風味の走行音と、コイルばねのDT21同型台車のじつによく揺れるさまをたっぷり味わい、千平から有名な難読駅とその上り方向の駅まで歩くあいだに何度か撮影できた。

アンバーを強くするためにホワイトバランスをプリセットであれば「曇天」「晴天日陰」、色温度設定であれば6,000K以上にして、赤みを強めた。私はAWBをほとんど使わない。ホワイトバランスはむしろ、光の色みを強めるために用いているからだ。赤っぽい光の中を走る茶色い電車はいいなあ。

■運用的に「あたり」だった
この日は運がよく下仁田まで往復していたけれど、ダイヤ改正までの上州福島行き列車が多いダイヤでは、もし203-204編成がこの上州福島までの機織り運用に入ってしまうと、高崎に近いエリアでは撮影機会が増えるとはいえ、下仁田に近い側では撮れない。1月下旬に訪れたときは(前回の残雪の写真)はまさにそれで、そのために根小屋城址のふもとに貼りついていた。千平から下仁田にかけての山間部でももっと撮ってみたいのだが、あのへんは撮影地を探さないといけないなあ。

■D7200の位相差AFもすごくいい
そして、このときはD7200のAFに驚かされた。D2Xを使っていたころには感じないで済んだ位相差AFの危うさをD7000ではしばしば感じていたのに、アドバンストマルチCAM3500IIオートフォーカスセンサーモジュールを用いたD7200はD2Xなみに、いや低照度ではそれ以上に正確な測距と食いつきを見せたから。

そして、APS-CサイズのDXフォーマットのよさもあわせて体感した。2点目の写真は光線状態や照度的には位相差AFで問題はないが、35rmmフルサイズ機ではAF測距点が上位機種ではないと、ライブビュー(コントラストAF)で置きピンをするほかないだろう。やるじゃん、D7200!

【撮影データ】
Nikon D7200 /AI Nikkor 20mm f/2.8S, AI AF Zoom-Nikkor 80-200mm f/2.8D ED <NEW>/RAW+JPEG/Adobe Photoshop CC

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【注釈】
1 恋愛とは一種の精神錯乱みたいなものだ:1923年に書かれたイリヤ・エレンブルグ(Илья Эренбург 発音上は「エレンブールク」)先生の『トラストDE 小説・ヨーロッパ撲滅史』(Трест «Д. Е.» История гибели Европы)にもこうありますよ。「若者が労働もスポーツもせずに、はては眠りもせずに無意味にほほえみあって時を過ごすなどということがどうしてできるのか、われわれには依然として謎である。多分このような現象は、すでに述べた『愛』という名の精神病の一種とみなさなければならないだろう』(小笠原豊樹・三木卓訳 海苑社 1993)じょっ、冗談ですからねっ!

2 ラノベ風タイトル:自分には縁がないライトノベルのタイトルはどうなっているのかな、とこのところ興味があります。他意はありません。見出しや小見出しをつけるのは編集者の悦楽だとは、編集者歴のずっと長い業界の大先輩の発言です。私はそこまでの域にはまだまだなれないな。とはいえ趣味で書いているならともかく、原稿料をもらっているのに見出しをつけるのが苦痛だという著者のかたは、書きだす前に自分はなにを書くのか考えをまとめてみて。起承転結を考えると、それぞれを小見出しにすることもできるから。

【追記】
上信電鉄を被写体にしたNikon D7200の解説本、Kindle電子書籍『ぼろフォト解決シリーズ』で近日発売いたします。乞うご期待!

【追記2】
Kindle電子書籍によるカメラ解説本『ぼろフォト解決シリーズ』に、発売以来人気の高いSony Cyber-Shot RX100本が登場。『ぼろフォト解決シリーズ079 絞り優先でカメラはもっと楽しい SONY Cyber-shot RX100 脱・初心者マニュアル [Kindle版]』(著・才王/著、編・齋藤千歳)470円で好評発売中です。私も編集を担当しています。