2012年1月16日月曜日

【KIEV-6S関連記事】夜のレッドアロー・クラシックをKIEV-6Sで撮る

モノクロームで撮る夜の雰囲気はいいよね

■撮る気まんまんでいると出会えない「レッドアロー・クラシック」
KIEV-6Sにモノクロームフィルムをつめて撮影した話の第二弾には、西武鉄道10000系電車10105編成「レッドアロー・クラシック」を撮影したようすをお届けしよう。 

この列車は私がデジタル一眼レフと望遠ズームレンズという「撮る気まんまん」な装備を提げているときには、どういうわけかなかなか出会えないのに、カメラを持たないときや走行写真を撮りにくい装備や状況のときにはわりとよく遭遇するという「私を泣かせる」電車でもある。

横から見たらなつかしの初代レッドアローみたい

■KIEV-6Sを持っている日に出会った
そう思っていたある日の夜のことだ。KIEV-6SとMC ARSAT 80mm F2.8を提げて歩いたそんな日の夕方に、池袋駅でレッドアロー・クラシックに出会った。フィルムはモノクロームのイルフォードXP2スーパーで、モノクロームで撮っても自慢の赤い帯がわからない、とは思った。とはいえ、以前からKIEV-6Sでも写してみたいと思っていたのだから、こうして遭遇できたのはむしろチャンスだと思うべきだろう。 

■KIEV-6Sは慎重に構えないと
KIEV-6Sだからというわけではない。けれど、ブローニーフィルムの一眼レフなのだ。クイックリターンではなくてもミラーショックはある。だから慎重に構えないとぶらしやすい、ということはすっかり忘れていた。カラーネガと同じC41プロセスで現像するフィルムだから感度をあげることは基本的にはできない。

けれど、あれこれ考えながら標準レンズで構えてみるとやはり楽しい。大きな駅ならば明るいのでISO400でもなんとか撮れる。大きく伸ばすことはできないかもしれないけどね。

画面内に動きや動作があるタイミングを狙ってしまう

■アベイラブルライトであせらずにじっくりと撮りたい
いくら暗くてもここでストロボを使うのはつまらない。駅の明るさならばF4・1/30秒でたいていは写るはずだ。そして、ブローニーフィルムを使うフィルムカメラだから、35mm判やデジタルカメラのようにやみくもに撮りまくってはだめ。ねらいを定めて慎重に撮る。

巻き上げるあいだには焦りも感じる。けれど、巻き上げる時間は被写体をじっくり観察する時間だ。ブローニーサイズのカメラはあわてて乱暴に巻き上げてはいけない。あくまでもじっくりコトコトと「焦がさないように弱火でじっくり煮込む」くらいのつもりでいよう。
 
すべての編成をこの塗装にしましょうよ、西武さん!

数分間に2カットほど写しているあいだに、発車時刻が近づいてきた。運転士が運転席に乗り込み、駅員が発車の合図を鳴らそうとしている。これはまたシャッターチャンスの到来だ。駅員が腕を上げた瞬間をねらった。そうしているあいだに列車は出発した。

わずか数分間の駅撮りでも楽しませてくれたKIEV-6S&MC ARSAT 80mmF2.8とクラースナヤ・ストレラー・スターラヤレッドアロー・クラシックはじつに楽しい存在だ。こんどは昼間の西武秩父線でも撮りたい。

 【撮影データ】
KIEV-6S・MC ARSAT-C 2.8/80・F4・1/30sec.・ILFORD XP2 SUPER