2014年1月28日火曜日

【いすみ鉄道国鉄色気動車撮影記】キハ52+28急行に乗る&撮る(その1)

まずは大多喜を出たキハ52を狙う
■男だけの集団が小さな駅に行列を作る朝
がらがらがらがらがらがら……

おはようございまあす、急行指定券は9時から発売いたしまあす。列を作ってお待ちくださあい。 シャッターを開けながら売店の女性たちは、にこやかに言う。 

私を含めて、あきらかに観光客ではない男だけの集団がおずおずと列を作る。場所はいすみ鉄道大原駅。午前8時半過ぎ。特急『わかしお』1号から大原で降りた客がみなここにいてすごいな! と少し驚いた。そのうち、後続の外房線各駅停車から降りた客と、いすみ鉄道のレールバスから降りた客も集まり始め、小さな駅はそれなりの人数で埋まり出した。朝一番の急行列車のせいか客は全員男性で、子どもや親子連れ、女性連れがいないところにも笑った。
 

冬枯れにも国鉄色は似合う 総元

■いすみ鉄道に行ったのだ
いすみ鉄道に行った。思えばキハ52と28による急行運転開始後初めてだ。お世話になっているみっぴょんさんのブログから、いすみ鉄道社長ブログ内でのキハ52塗装変更の発表を知り、いくらなんでもこれではいかんと重すぎる腰を上げて、なかなか足を運べなかったいすみ鉄道にようやく行ったという次第。

長年の写真仲間であるつかちゃんとその仲間のみなさんと、たまたま新年会を予定していた幸運な偶然が重なった。つかちゃんのお住まいは九十九里の一帯だ。埼玉県茶畑だらけ市の自宅からそこまで行くなら、少し足を伸ばせばいすみ鉄道にも行けなくない。さらに、つかちゃんを介して知り合ったKさんが、いすみ沿線まで車を出して迎えに来てくださるという。そこで、ご好意に甘えることにして訪問を決めた。

とはいえ、まずはDMH17エンジンのキハ28またはキハ52に乗り、その音を聞きたい。私はいわゆる「音鉄」さんではないとはいえ、停車中のエンジンのあのアイドリング音は好きなのだ。子どもの頃に遠出して乗ったディーゼルカーのわくわくするような思い出がよみがえるからなのか。 

キハ28指定席で、切符とカメラの記念写真

それに「沿線に写真を撮りに来てくれるだけでもいい」と社長自らが言っている鉄道とはいえ、ちゃんと乗りたい。

急行1号で行われた朝食無料サービス。たしかに飛行機っぽい

1往復しない列車ではないのだから、私は撮ることも乗ることもどちらも楽しみたい。「乗ると撮影効率が悪いから乗ったことがない」などという人もいるけど、私は趣味に効率ばかりを求める人には親近感が持てない。 そこで私は急行一号に乗り、Kさんに無理をお願いして駐車場のある大多喜(*)まで来てもらい、拾ってもらうことにした。

大多喜にて

■いろいろなものががらがらと音を立てる
さて、各種切符やお土産を開いたばかりの売店で買っているうちに、キハ2連が入線してきた。キハ52もいい雰囲気だし、まだピカピカのキハ28もまばゆい。乗客はみな鉄分100パーセントのみなさんで、子どももいないのでほとんど無言(!)。ときどきシャッター音が聞こえるくらい。そこへキハのエンジンのアイドリング音がずっと響く。

ガラガラガラガラガラガラガラガラ……

大多喜入庫の夕方の運用 新田野

*「駐車場のある大多喜」:町営駐車場があり、大原~大多喜は列車の運転本数も増えるから、撮影の合間に大多喜で停めて列車に乗るといいよ。国吉には駅駐車場もあるぜよ。

【撮影データ】
Nikon D7000, Nikon 1 V1/AI AF Nikkor 50mm f/1.4D, AI AF Nikkor 300mm F4S ED IF, 1 NIKKOR 18.5mm f/1.8/RAW