2014年1月21日火曜日

【ニコンカメラチラ裏記事】ニコンFEを手にして(秩父鉄道1000系関連情報もあり)

久しぶりに手にしたFE+Ai50ミリF1.8S

■クロームのニコンFEを手に
いま、手元にニコンFEがある。私の所有物ではない。入院して身動きがとれない友人に頼まれて探したものだ。色はクロームで、レンズはAi50ミリF1.8Sの「国内バージョン」などともいまは呼ばれているものをつけてある。国内用は最短撮影距離45センチメートル。輸出用は60センチメートルだった。とはいえ、それほど珍しいレンズでもない。
ニコンFEとしてもごくありふれた個体で、変わった点があるとするなら、方眼マットスクリーンを入れてあることだろうか。

■フィルムで撮るのは久しぶり
私はいま、ふだんはフィルムで撮ることをほとんどしないし、かつて自分で所有していたNew FM2クロームもFM3Aブラックも手放してしまった。だからFMおよびFEクラスのカメラ手にするのは久しぶりだ。手元に残してあるフィルムニコンはF、F2そしてF4だけだ。そのうち一番好きなのはF2だ。それでも最近では年に数回しかフィルムを通していない。

理由は何度も書いている通り。フィルム製品ラインナップの減少と現像所の急減、コストアップ、それからデジタルカメラの性能向上により、私にとってもはや「写真術はフィルムでなければならない」理由が見当たらないからだ。もちろん業務で使うことも完全になくなったことも理由のひとつ。
カッコよく書いたけど、ランニングコストにゆとりのない私には見合わない。高橋留美子ふうにいえば「みんなビンボが悪いんや」ということにつきる。それと、業務のスキルアップのためにデジタルカメラでの撮影と撮影後のワークフローに集中したいという理由もある。

一時期はFM3Aばかり使っていたのだけど

New FM2とFM3Aは自分には便利すぎる
それでも、特に35ミリ判というフォーマットは慣れ親しんでいて好きだし、思い出に残る写真を撮ってきたカメラにも愛着はある。なかでもNew FM2やFM3Aは一時期かなり使った。というより、それらを所有しているときはNew FM2もFM3Aも、それしか使わなかったほどに愛着があった。

手頃な大きさとファインダー倍率の高さ(いまのデジタル一眼レフにはあり得ない、0.86倍もある!)がほんとうに自分に合っていて、ピントも合わせやすくて、自分にとっての周囲の被写体はこれでほとんど撮ることができるほど馴染んでいた。おまけに、機械式でありマイナス25℃の冬のモスクワでも平気で使うことができたことも、頼もしさを感じて好印象だ。
それなのに結局手放してしまったのは、便利だからこそ怠惰になってしまうという妙な理由だ。

乗り換えた秩父線でいきなり1003編成に遭遇した

健全な写真生活のためにはFとF2を手放してFM3Aを残しておくほうが理にかなっているとも思った。なにしろ、FM3Aなどはオートでしか使わなかったほどだった。

この手書きのプレートがシブいといつも思う

■ベテラン向けのカメラだと思う
FEやFMは写真学生が使うカメラでもあるため、それを馬鹿にする知人がいる。欠点を挙げるとすれば外板が薄く凹みやすいとか、視野率が100パーセントに満たないことか。それは事実だ。けれど、そのことは撮れる写真が劣ることを意味しない。

むしろ、大柄ではないことで相手に警戒されず、持ち運びがしやすいことから、ベテランや報道現場でもかなり愛されたカメラであることは、カメラ仲間のみなさんならよくご存知だろう。おそらく、FEやFMだからこそ撮りやすい写真もあるはずだ。

鉱石貨物列車とも何度も交換した

F一桁シリーズのような伝説的蘊蓄を感じさせないところもよく、それでもこのカメラを選ぶ持ち主の飾り気なさと見識を感じさせる気がする。

外は寒い冬晴れだ

■このカメラを使うお子さんの将来が楽しみだ
このカメラは、友人がお子さんにプレゼントするのだそうだ。今回珍しくフィルムカメラを持ち出したのは、中古の個体なので試し撮りをさせてもらうという理由があったから。久しぶりに使ってみると、軽快なカメラだと感じて楽しかった。明るくピントがつかみやすいファインダーと軽いレリーズ音は久しぶりに新鮮だ。

それにしても、この個体を使う子はどういう写真を撮るようになるのだろうか。それが、私に撮れないようなものであればこれほどうれしいことはない。

【撮影データ】
Nikon FE・Ai Nikkor 50mm F1.8S(旧製品なので旧表記による), 20mm F2.8S・Efiniti UXi Super 200(富士フイルム海外向けカラーネガの逆輸入版)

【秩父鉄道1000系関連ニュース!】
1月20日に情報開示(PDFファイルが開きます)がなされ、既発表の「さよなら 1010F貸し切り&撮影会ツアー」(2月22日土曜日)ほかにも、1000系引退関連のイベントが行われるのだそうだ。
  1. 2月23日(日)1010編成+1003編成の「さよなら 1010 号(秩鉄オリジナルカラー)引退記念臨時運転」が熊谷〜三峰口を往復。
  2. 2月1日(土)から同16日(日)まで、土休日に1010編成が固定運用入り
  3. 3月1日(土)から同16日(日)まで、土休日に1003編成が固定運用入り
  4. 3月末に1003編成貸し切りツアーおよび引退臨時列車を予定
  5. 各種切符を1000系の写真入りで発売
【上記固定運用期間内の運用予定】
・熊谷発 10:11→行田市発 10:19→羽生着 10:35
・羽生発 10:44→行田市発 10:58→熊谷発 11:07→寄居発 11:36→
長瀞発 11:52→秩父発 12:13→御花畑発 12:15→三峰口着 12:37
・三峰口発 12:54→御花畑発 13:19→秩父発 13:22→長瀞発 13:41→
寄居発 13:57→熊谷発 14:28→行田市発 14:36→羽生着 14:49
・羽生発 15:01→行田市発 15:15→熊谷着 15:23

いずれも秩父鉄道公式Webサイトより。詳細は同サイト参照のこと。