2014年1月27日月曜日

【JR鶴見線1990年代】101系冷改車と103系更新車の競演

中央快速線→南武線からやってきた101系冷房改造車

■101系と103系は「ありふれた電車」だった
以前も書いたことがあるが、私の年齢だと国鉄101系や103系というのは生まれたときからたくさん走っていた通勤型電車だ。103系はとくに国電区間(当時)のどこででも見られたような電車だから、日常的すぎてめずらしくもなんともない電車だった。


似たような顔でもどちらかというと101系のほうが好きなのは、私が物心ついたときには中央快速線の一部と青梅線直通電車、中央緩行線、南武線と鶴見線、そして武蔵野線くらいに追いやられて、それなりに「希少価値」が出始めたこと、そして前面窓の上下のプロポーションの違いが、大窓のほうが好きだったからということによる。とはいえどちらも、私より上の世代の旧型国電ファンには旧型国電を廃車に追いやった憎まれた電車ではあったろう。私の世代の一部では209系電車やE231系電車、E233系電車が103系電車を廃車に追いやった「走ルンです」扱いなのと同じだ。

こちらは103系リニューアル更新車

■鶴見線に103系冷房改造車が走り始めたころ
さて、写真は1990年に訪問したときの鶴見線のようすだ。1990年の鶴見線ではすでに103系電車による101系電車の置き換えが始まっており、101系冷房改造車と103系更新車の競演を見ることができた。JR移行後の1990年代始めは103系の大規模な更新冷房車が現れ始めたころだった。古びてぱっとしない印象が拭えなかった103系初期形の電車がとくに内装をリニューアルされて、冷房装置を積んだ姿を見て「103系もいいなあ」と思ったものだった。寒色系の内装を暖色系に改めたのもよかった。

そのころの私はだんだん鉄道趣味からはなれていたころだ。それでも、青梅線の103系は撮りに行った。また、写真に撮らなくても武蔵野線や常磐線で爆音を出して快走する103系にはなにかと理由をつけてなんども乗りに行ったものだった。撮らなくてもやっぱり鉄道が好きだった。

■テクニカルパン2415
さて、今回のエントリーの写真はコダックテクニカルパン2415を試してみたものだ。「テクニカルパン」(略して「テクパン」)といっても、ある程度以上の年齢の写真好きで自分でモノクロフィルムの現像をされていた方ではないとご存じないフィルムだろう。もともと文書複写用の超微粒子・ハイコントラストなモノクロフィルムだ。それを転用し専用のテク二ドール現像液で超軟調現像をすると、35mm判でも銀の粒子が見えないほど微粒子で階調再現の優れた画像を得ることができた。ただし、現像むらを起こさないようにする現像処理が難しかった。また、モノクロ写真はある程度銀の粒子が見えたほうが効果的でもあるために、一般的なフィルムではない。銀の粒状をいやがる天体撮影をするひとは好まれていた。

そのフィルムを試すためにどういうわけか鶴見線に向かい、そこで試写したのがこれらの写真だ。今回初めてスキャンしてみて、その微粒子さには驚いたものの、ネガの現像むらとフィルムの傷の多さにも驚いた。ネガの修正がしきれず、スクラッチやゴミが一部に残っているのはご容赦願いたい。

【共通データ】
Nikon F-301/AI Nikkor ED 180mm F2.8S/Kodak Technical Pan2415