2014年7月14日月曜日

【お仕事のおはなし】Kindle電子書籍「ぼろフォト解決シリーズ019 SONY Cyber-shot RX100 III実写速報」発売中!

『ぼろフォト解決シリーズ019 SONY Cyber-shot RX100 III実写速報 [Kindle版]』_001


【告知】
このところ私が取り組んできたKindle電子書籍がまた出版された。『ぼろフォト解決シリーズ019 SONY Cyber-shot RX100 III実写速報 [Kindle版]』。小山壯二さんとの共著、齋藤千歳さんの編集といういつもの3人組での作業だ。私はまた例によって、RX100 IIIの連写機能の部分のほか、画像効果についてその機能とRX100 IIIの挙動に、あるいは使い方のヒントなどを執筆した。

『ぼろフォト解決シリーズ019 SONY Cyber-shot RX100 III実写速報 [Kindle版]』_002


秩父鉄道沿線でSLパレオエクスプレスを牽引するC58363をはじめとする列車でAF追随のテストをしたり、沿線のちょっとした光景をお借りして各種画像効果を撮影したというわけだ。鉄道撮影指南書ではないが、沿線の撮影地についての場所は表記した。今日のエントリーでは未使用カットをお見せしよう。いずれもRX100 IIIで撮影した。



RX100シリーズは裏面照射形1型Exmor R CMOSセンサーを搭載した高級コンパクトデジタルカメラで、「1型センサーのカメラは高画質なのか!」と世間にいわしめた機種の3機種めだ。従来まで28mm相当だったレンズを24〜70mm相当と広角側にシフトさせ、ポップアップ式ファインダーを搭載した。私はこのポップアップ式ファインダーが気に入った。手持ち撮影時に手ぶれをしにくくなるのがよかった。

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コンパクトデジタルカメラに用いられているコントラストAFは、位相差AFにくらべて動く被写体を追いにくい(*)。これは撮像素子から出力される画像の「コントラストが一番高い」部分を探すという特性のためだという。前ピン・後ピンがわからないこともレンズ駆動の制御を高速化しにくい理由だそうだ。これをアルゴリズム的にうまく動かすことや、位相差AFとのハイブリッド方式のものなど、各社のコンパクトデジタルカメラのAF技術の向上策はちゃくちゃくと(ある程度の値段の機種では)進んでいる。

とはいえ、鉄道撮影で走りを狙うような場合には、基本的には置きピンかMFだというのはどんなカメラであってもコントラストAFを搭載するカメラでの、基礎的な使用術だ。エントリーユーザーの方は注意されたい。走っている列車をコンデジのコントラストAFで合わせるのは、高級機種ではないと無理だ。一眼レフだって、ミドルクラス以上とある程度のレンズではないと合わない。AFに頼ると余計なストレスをためるだけだ。

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RX100 IIIは、特にAF性能がいいというわけではないし、その速度も速いわけではない。だが、有効2,010万画素もの高画素機ではいいかげんなAFではその真価を発揮しないだろう。通常の使い方では満足のいくものだったことは伝えておきたい。

また、ソニーのデジタルカメラならではの連写機能を応用したノイズ除去たいへん役に立った。まだまだ値段の張るカメラだが、コンデジではあってもかなり本格的に使うこともできる機種だと思った次第。広告をもらって書いている本ではないので、ほんとうに思いますよ。

RX100 IIIに興味のある方はぜひ本書もご一読いただきたい。また、先日出したSTYLUS 1の本は1週間ほどKindle電子書籍有料版の「写真」カテゴリ内でベストセラーであったことも、合わせてご報告したいし、ご協力いただいたみなさんには感謝したい。みなさんの興味を引く機種であったということだろう。

それにしても、告知ばかり載り始めるとブログはおもしろくなくなるとは、かのフミコフミオさんだったかが書いていた記憶がある。読み手としてそれは同感だ。日頃のエントリーにももう少し力を入れないといけないね。

*コンパクトデジタルカメラに用いられているコントラストAFは、位相差AFにくらべて動く被写体を追いにくい:私はうまく説明しにくいが、新しめの本では『図解 デジタルカメラの仕組み』(朝日新聞出版)などがていねいに説明している。