2016年5月23日月曜日

【秩父鉄道撮影記事】黄色いアイツ、動く!


係員氏が小走りに走ってデキ502のデッキを上り運転室に入って、戸を閉めた。そして前照灯が灯る。検修庫でなにかと連結したデキ502はこちらに向けて動き始めた。牽引しているのはまさかの……ナナハチ!
さる土曜日のこと。秩父鉄道熊谷工場(広瀬川原車両基地)では毎年恒例の「わくわく鉄道フェスタ」が行われた。さまざまな趣向がこらされて、なにかと目玉があるこのイベントではあるけれど、今年は事前に東武8000系8506編成の展示と、昭和の終わりから平成の初めの頃に秩父鉄道の電車がまとっていた黄色に茶の帯(いわゆる、チョコバナナ塗装)に塗られたデキ502号機のお披露目が予告されていて、これはもう行かねばなるまいと思っていた。

当初の予定では午前中の北武区間で会場行き臨時列車を撮るはずが、土曜日にもかかわらず急ぎの仕事をどうしても終わらせられず……いつもお世話になっているおっとっとさんも記事にされているように、午前中に東武8506編成の広瀬川原への送り込みもあったと聞き……とっ、東武8000系2R車なんてっ、撮れなくてもくっ、くやしくないんだからねっ! だはあ(号泣)

という思いを抱えて、すでにぐんぐんと気温が上昇した正午過ぎに会場入りして、日陰と涼を求めてもっぱら、見学用に開放されていた検修庫と、休憩室として開放されていた12系客車や6000系電車6003編成で涼みながら、あれこれ考えた。一発逆転できないかなあ、と。

もっとも、人生において楽をして一発逆転などということはたいていはない。一発逆転を可能にしたひとは、そのぶんの努力をしているはずだ。そこで、3時前に会場を出て、わくわく鉄道フェスタ終了後の入れ替えの模様を見るべく、会場外からずっとねばった。おそらく「なにかが起きる」。こういうときの勘はたいていはずれない。いやまあ、どんなひとでもたいていはどんな場合にでも粘ればなにかに遭遇できるけどな。

1時間ほど粘ってみたら、検修庫の扉が空いた。デキ502はもしかして、そのまま庫内へ引っ込むのだろうかと思ったものの、どうも庫内には別の車両がいるようで……その車両と連結する音がした。そして、係員氏が反対側のデッキから降りてきて、こちら側のデッキに飛び乗ったのを見て、ご一緒したおっとっとさんを初め、その場にいたご同業のみなさんから声にならない声が上がった。奴がこちら側へ動く!




そうしてデキ502は、なんと7800系電車7803編成を引っ張り出した。広瀬川原車両基地の配線をご存じの方ならおわかりのように、踏切を一度わたって大麻生方へ行かないと、検修庫の外側の本線よりに行けない。デキ502は大麻生方へいちど行き、今度はナナハチをプッシュしてやってきた。

高運転台で無愛想な顔つきのデキ502にこの黄色い塗装はじつに「ブサかわいく」似合うと筆者は思う。明るい色に塗られた凸型電気機関車なみに、無愛想さのなかに愛嬌を感じさせるとさえ思う(変なことを書いているのは承知しています)。そこで連想したのは、東急長津田工場にかつていた牽引車であるED30 1だ。きっとこの連想は、東急テクノシステム謹製の秩鉄7800系電車からの連想なのだろうけれど……この、明るい色の電気機関車が東急の電車を入れ替える姿は、長津田工場で見られた愉快な光景の再来のようで……レリーズボタンを押す指についつい力が入った。

いやあ、それにしてもいいものを見た。こういうヘンテコな列車を見られるのが、私鉄趣味の楽しさですなあ。

わくわく鉄道フェスタを企画・運営された秩父鉄道をはじめとする関係者のみなさん、イベント自体もその前後もほんとうに楽しませていただき、ありがとうございました! それから、ご一緒したおっとっとさんにもお礼申し上げます。

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