2016年12月22日木曜日

【LUMIX GX7 Mark II関連記事】シャープネス(輪郭強調)についてあらためて


■「2016年終了のお知らせ」
師走どころか、気がついたら2016年がもう終わっていくことに気づき、いろいろと気持ちが先走りつつある。先走ってばかりではいけないので、もちろんうんうんと唸り声をあげながら作業をしている(比喩です)。思い返せば、今年もローパスフィルターレスのAPS-Cサイズカメラ、1インチセンサー機やマイクロフォーサーズのカメラを数機種触れることができ、あらためてそれをふりかえりながら思うことがある。それは、シャープネス(輪郭強調)の設定のこと。


■ときにはシャープネスの設定を変えてみる
数年前にNikon 1 V1を初めて使ったときに、初期設定では「輪郭強調(ニコンのカメラではシャープネスをそう表記する)が強すぎる」と感じた。よりセンサーサイズが小さいコンパクトデジタルカメラのような絵になると思い悩み、ふとシャープネスを弱めてみたところ、願うようなやわらかさとぼけを得ることができた。

筆者はふだんの業務の撮影では手軽にあざやかで見た目が映えるように、どのカメラでも絵作り設定は初期設定の「スタンダード」ではなく、高彩度になる設定を使っている。

これら、あざやかに見える絵作りのパッケージは、彩度だけではなく、コントラストやシャープネスも強めてある。ニコンのピクチャーコントロール、キヤノンのピクチャースタイル、あるいはペンタックスのカスタムイメージ、ソニーのクリエイティブスタイル、オリンパスのピクチャーモードやモノクロ/カラープロファイルコントロール、パナソニックのフォトスタイルなど(いちおう網羅したかな)、高彩度の設定では同様だ。

■弱めの設定にしてみようかな
つまり、これらの高彩度で、同時にコントラストやシャープネスのやや強めの設定で撮っているから、なおさらきりっとした絵になっているはずだ。そうなるとときにはぼけにも影響してしまうことがある。人物や植物、ペットややわらかく描きたい静物などの被写体によってはシャープに見えすぎることさえ。そこであらためて思い至ったのは、もしかして、シャープネスを弱めてみるともっとやわらかく写るのではないかということ。

ブツ撮りや商品撮影を専門的にするカメラマンならば、色みやコントラストがよりニュートラルになる設定で撮影して、LightroomやPhase Oneで現像をし、必要なカットにのみ個別に拡大率や使用用途に応じてAdobe Photoshopなどシャープネスをかけて調整するという撮影をするのだが。


■好みの設定を試す
年末年始は残った仕事をしつつ、私物のカメラの自分の好みのシャープネスの設定を探そう、そう考えている。Adobe Photoshopであれば明瞭度の設定もあわせて考えたい。明瞭度とはシャープネスの一種で、10から15ピクセル程度の少し大きい範囲にかけるシャープネスのことだ。風景写真で空に浮かぶ雲などを強調する際にプラスにする。マイナスにするとにじむのでほんのわずかにマイナスにすると人物写真の肌の細部描写をにじませることができる。

もっとも、これらは被写体や用途によりけりだし、好みもある。高倍率ズームレンズを使う人にはシャープネスを弱めるのは向かない。ピントが甘く見えてしまうレンズもあるからだ。シャープネスを弱めるのは単焦点レンズを使って絞りを開き、身の回りのものや人物などをやわらかい雰囲気に撮る場合だ。

そしてそれをSNSやブログ発表するのではなく、インクジェットプリンターで光沢紙の写真用紙のA4サイズ以上にプリントする用途くらいかもしれない(拡大しないとわからないから)。

ニコンのWebサイトにあるピクチャースタイルの特設ページがわかりやすい。輪郭強調や明瞭度についてはこちらを参照されるといいだろう。

【撮影データ】
Panasonic LUMIX DMC-GX7 Mark II, OLYMPUS OM-D E-M10 Mark II/LUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S., M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro/RAW/Adobe Photoshop CC(RAW現像)