2017年3月9日木曜日

【機材PETIT自慢】「フード病」罹患中なり

映り込みを防ぐためにLUMIXロゴを隠したまま撮ちゃった(汗)

■ごぶさたしてしまって、ほんとうにごめんなさい!
 前回のエントリーからひと月ちかく経ってしまった。えー、読者のみなさん、ほんとうにすみません。いつものようにお借りした機材での撮影と、CP+関連の取材などをばたばたとしているうちに、いつのまにか3月半ばになってしまいました。そしてさらにいいわけをすると、鉄道を被写体にする以外にも、趣味の撮影がそのあいだにできなかったこともあって、ブログに向いた記事が書けずにいたのです。

 そんななか、先日行われたCP+においてここ数年、玄光社が主催して行われている「CP+中古カメラフェア 2017」内の玄光社ブースで赤城耕一さんの新刊『「赤城写真機診療所」〜そんなカメラは捨てなさい〜』と缶バッジを買い、すぐそばにいた担当編集者と赤城さんに「本と缶バッジを買いましたよ!」と自慢する程度にしか「カメラ関連のものを増やしていない」つまり趣味にお金をまったくかけていない私だったのです。しかも、趣味的な消費をしないことが自慢でさえあったのです。

 それなのに、ひさしぶりに「フード病」に罹患しまして。それも「メタルフード病」というより重篤な病気に。そのようすをお伝えする次第です。エントリーAF一眼レフとダブルズームキットで楽しくすごしているまっとうな方にはぜったいに理解できない病気です。


■いまはむかし……中古カメラブームというものがあったころ
 あれはたしか……いまはむかし、20世紀の終わりから21世紀のはじめのころでしょうか。一眼レフのピント合わせ方式がオートフォーカス(AF)になり、いっぽうでデジタルカメラはまだ数十万画素のモデルでも一般のユーザーには手を出しづらい。そんな頃にいささか時計の針を戻してみましょう。その頃、日本のカメラ趣味の世界には「中古カメラブーム」というものが存在しました。古くなった機種が「クラシック」で「ノスタルジック」で「カッコいい」とされ、新製品の当時に見向きもされなかった製品に高値がつく。そしてそれらを買い集めて自慢するひとびとが現れたり……という、古いカメラ機材が流行した時期がありました。それを専門に取り上げる雑誌やムックまでありました。

 いま思えばそれは、便利になったカメラへのアンチテーゼでもあったのかもしれません。あるいはカメラ小売業のほんの小さな最後の断末魔のようなプチバブルかな。消費者としてみると日本経済は円高であり、冷戦の終結も手伝って旧ソビエト圏や中央ヨーロッパ、あるいはまだまだ経済的に発展途上にあった中国などからやってきたカメラも日本国内に流れ込んできて、書籍でしか見ることができなかったカメラやレンズを目の当たりにするおもしろさもありましたっけ。

 ところが、カメラやレンズは流通しても、付属品は製造が終わるととたんに入手しづらくなるものです。レンズキャップやレンズフードなどは、古い製品になるほど純正のものは見つけづらい。ユーザー自身も無頓着なことも多く、別々に処分されることも多いでしょう。そんななか、当時の製品に姿を似せたメタル製レンズフードや、むかしの距離計連動式カメラに用意されていたようなスリット式のレンズフードに似せた製品も、こうした古いカメラの流行があったおかげで、あちこちから製品化されるようになりました。このスリット式のレンズフードはそもそも、距離計連動窓をふさがないためのもの。けれど、デジタル一眼レフやレンズ交換式デジタルカメラ(いわゆるミラーレスカメラ)が主流のいまとなっては、スリットにまったく意味がなく、むしろその特異な外見に人気が……ごめんなさい、私が好きなだけか。

■じつにめんどくさい「病気」です
 つまり、この「フード病」というものは、プラスチック製の円筒形の純正レンズフードで実用上は足りるのに、「なんだかカッコいいから」という理由でサードパーティ製品などから金属製のレンズフードをわざわざ探し出して購入し、それを装着してひとり悦に入る。あるいは、さりげないふりをして肩からさげて行きつけのカメラ店や趣味の仲間に会いに行き、「あ、そのフードは?」という質問を受けたら、必死でドヤ顔を隠しながらさりげないふりをして「来た俺のターン! ガルガンチュア・パニッシャー!」などと手持ちのカードを切る、そんな症状が患者には顕著に見受けられる病気なのです。くわばらくわばら。

 しかも、この戦利品自慢も一筋縄にはいきません。大金をはたいて純正フードを銀座の高級店で購入したというエピソードよりも、サードパーティ製品で安価でよく似合うものを見つけたとか、中古カメラ市や地方のカメラ店のショーウインドー、あるいはハードオフのジャンクワゴンなどで、手頃な価格でカッコいいレンズフードを運よく入手できたというエピソードを話すほうが、聞き手に尊敬されます。というのは、「フード病」はなにもお金を使う自慢ではありませんから。むしろ入手したフードが自慢のレンズとカメラボディに似合うかどうか、カッコいいかどうか。あるいは、どうやって入手したかという「頭を使う」自慢です。「お金だけでは解決できないことをうまくやった自慢」といいましょうか。なお、じっさいにハレ切りに効果があるとか、そこは問われません。

 「フード病」とはそういうめんどくさい、とても恐ろしい病気なのです。心のなかに中二病的な過剰な他者の視点(と想定されるもの。どちらかというと被害妄想)を持っている、写真を撮ることよりもカメラを語ることが好きなひとで、心のどこかでLeicaとかLeitz、Barnack、Super-Angulon、Contax、Carl Zeiss、Bertele、Sonnar、Hasselblad、Rolleiといった言葉、ドイツという国やJena、Oberkochen、Wetzlarといった地名に心ときめくようなひとにはとくに、この「フード」病への効果的な予防法も治療法も見当たらない気がします。ボディがフィルムカメラであるかデジタルカメラであるかもまったく関係がありません。なにしろ、いまやフィルムをまったく使わず、しかもGermanophileというよりもRussophiliaな私がこうしてりっぱに発病しているのだから。

■悪化すると「フードがカッコいいから機材を導入する」ことさえ
 この「フード病」はひどくなると、フードのカッコよさで機材の導入を決めるという本末転倒な行動も患者に引き起こします。たとえば、LUMIX GX7 Mark IIは私、LEICA DG SUMMILUX 15mm F1.7との組み合わせが好きで入手したのですが、そもそも、そのLEICA DG SUMMILUX 15mm F1.7には、先端が細くなった肉厚なメタルフードが付属するのです。黄色いライカ文字とメタルフードに(もちろん、写りとf/1.7の開放F値にも)しびれたのですね。こういう理由でGX7 Mark IIを入手したところも、私のこの病歴の一端がうかがえるのではないでしょうか。

スリットの意味がないと笑われながら使うのがいとをかし

 それだけであれば、まだよいのです。Einmal ist keinmal(一度は数に入らない)というくらいだから。問題は「一度」ではないことなのですな。というのも、LUMIX GX7 Mark IIはLUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S.もあわせて手に入れたのですが、そのときにLUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S.にも八仙堂のメタルフード(「望遠レンズ用フード ねじ込み式」)とステップアップリングを用意してしまい(ほんらいはプラスチックのフードが付属する)……うーん、やはりメタルフードはいいのう……と撮影のたびににこにこしているのです。

 あ、いやその。私、撮影中や運搬中に機材をかまっていられず、ぶつけてしまうことがあるので、メタルフードが好きなのです(そう書くとまるでとても合理的な理由があるように見えますが、プラスチックのほうが割れてショックを逃がすこともあるので、メタルフードばかり使うのは合理的ではありません)。

Webで拝見して真似させてもらっています!
■使わなかった機材にもフードを装着したら……!
 そうして、「メタルフードつきレンズ2本体制」のGX7 Mark IIを使いながら心おだやかに仕事をしていたのですよ。とはいえ、私はそれ以前からマイクロフォーサーズレンズをもうひとつ持っていたのです。それが、LUMIX G 14mm/F2.5 ASPH.。IIになるまえの最初のモデルです。所有していた理由は「小さいからなんとなくいい」。もっとも、焦点距離が15mmと近いので、さいきんはあまり出番がなかった……のですけれどね。そこで思い出して、八仙堂のスリットフード(「高級広角レンズ用フード ねじ込み式」)を装着してみて思ったのです。あ、やばい。かっこいいわ。

人間が暗黒面に落ちるのはとても簡単ですね。冒頭にあげた本の言い方を借りると「手おくれです」というところ。

追伸:私はニコンの一眼レフ用AFニッコールレンズにも、望遠ズームレンズ以外はすべてMF用のメタルフードを使っています。凹んだりはげたレンズフードを自慢げに用いていて、私はちょっとおかしいのです。Nikon 1用の1 NIKKORレンズにもメタルフードを装着しているしな。そんなヤバげな著者がお届けしているエントリーがこちらになります。

写真に撮るとフードの傷み具合がいっそう顕著ですね(汗)

1 NIKKORレンズにもメタルフードは似合うよ!

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